売り絵をと描きたい絵、あるいは描ける絵の違い

売れる絵と描きたい絵、あるいは描ける絵の違い

絵を売る事を決心した時、「売り絵」
「描きたい絵」「描ける絵」で悩む事でしょう。

実は全部一緒なのです。わざと「売れる絵」
描かなくてもいいのです。

物凄い技術を持っていて、どんな絵でも描けると
いうなら話は別ですが、「描ける絵」というのは
決まってきます。

どんな絵がうれるの?

「売り絵」を描くのも大変です。日本では、
工芸的な要素が必要です。

アーティスティックな要素はあまり必要ありません。
また、作家が「こんな感じだと売れるだろう」
考えて描いた作品は意外と売れません。

「売れる絵」というのは、作家の世界観
しっかりとしていて、高度な技術と表現力がある絵です。

ただ、「売れやすい絵」というのはあります。
「絵」というものは、装飾品です。「自己表現」
と考えているなら、別に売る必要はありません。

もちろん、「自己表現」で描いた作品が
高度な世界観と技術、表現力が伴っていた場合、
売れます。

そういう作品を描く人はかなりの有名人
億単位の売り上げを上げるでしょう。

そういう作家を目指したいところですが、
人生には運や才能も必要になってきます。

また下積み時代も大切でしょう。

それに「自己表現」を目指している人も、
流行や売れ筋を考えています。

時代に合った作品を自分の世界観と合わせて
表現しています。こうなると、高値で作品は
売れていきます。

ただ「自己表現」だけで流行や売れ筋を無視して、
好きな絵だけを描いていると売れません。

そこのところを勘違いしないほうがいいです。
経験や知識をいっぱい持っている作家が
「自分の世界」と言えるのです。

私はアーティスト?

最近、基礎を嫌がり、自分の好きな絵を描いて
「私はアーティスト」と言っている人を良く
見かけます。

昔より、絵を買う人が増えたのも事実です。
ちょっと器用な人が描いた絵を知り合いなどに
売るというのもよく耳にします。

しかし、これでアーティストなのでしょうか?

「絵がお金になった」というのはとても嬉しい事です。
少しでも売れると気分は高騰し、「私はアーティスト」
自覚が芽生えます。

そして、高いお金を払って美大に行った人を馬鹿に
したりします。こんな世界がアートなのでしょうか?

本当のアーティストの定義はとても難しいですが、
一番簡単なのは、確定申告をしている事です。

どこどこ会の会員とかではなく、絵の売り上げ
から税金を払っている事
が大切です。

売れやすい絵

話をもとに戻しますが、「売れやすい絵」
いうのはあります。

やはり、日本では花鳥風月が売れやすいでしょう。
海外では全く違います。ヌードでもなんでも
よければ売れます。

実際私はマレーシアアートエキスポで4年連続完売しました。

NYは日本と結構近いところがあって、
職人技巧的なものが受けるようです。

またNYもマンハッタンなどになると、
部屋も小さくなり、必然的に買う絵も、
小さくなります。

ヨーロッパは表現主義的な感じが売れやすいです。
邪道かもしれませんが、「日本」売りにすると
海外ではかなり売れます。

特にヨーロッパは「ジャポニズム」という歴史が
あるので、日本に憧れを持っている人が多いです。

日本でもどこでも売れるには、それなりの技術
世界観が必要となってきます。

知り合いに売っているだけだと、いつか頭打ち
なってしまいます。

全く知らない人にも魅力を発散させて誘導して
いかなければなりません。

理想と現実

「描きたい絵」「描ける絵」は違います。
「こう描きたい」と思っても思うようにいかない、
そんなこともあります。「理想」と「現実」です。

しかし、技術が足りないだけなら、努力克服
できます。

ただ、自然に描ける絵のほうが個性がある場合があります。
「こう描きたい」という「理想」は必ずしも
自分に合っているとは限りません。

ただの憧れかもしれませんし、高すぎる理想
かもしれません。

ダヴィンチみたいに描きたいと言って、
真似してもオマージュか模写にしかなりません。

それよりも自分が感動した事、触発された事を
絵にしたほうが、よっぽど個性が出るでしょう。

そんな絵は、見る人を感動させ、売れていくでしょう。

日本では、「売れる絵」というのは高度な技術
が必要です。

またデッサン力も必要です。私もまだ高度な技術は
身に着けていないと自分で思います。

何枚も失敗して、何度も描きなおして、ようやく
技術は身につきます。

それはパソコンでも手描きでも一緒です。

手描きが出来ないからと言って、パソコンで
やるというと今度はパソコンの技術が必要に
なります。

結局同じことになります。パソコンの絵が
好きなら、パソコンの技術を、手描きの絵が
好きなら、手描き技術を習得しなければならないのです。

デッサン力がないから抽象に、という人も
いるでしょう。

ところが、抽象画はデッサン力が必要です。
簡単に描けるものではありません。

「芸術」というのは、一朝一夕でできるものではないのです。

まとめ

じゃあどうすればいいのか?「描ける絵」を
どんどん描く事です。

昔の巨匠の絵の模写も勉強になります。

そのうち技術がついて、どんどん上手くなります。
あまり、真剣に頭で考えない事です。

手を動かしてなんぼの世界です。楽しく制作
しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です