日本画画材の特徴を表す~岩絵の具~

日本画の代表的な絵の具は岩絵の具

日本画画材で最も特徴を表すのが「岩絵の具」です。
岩絵の具は天然の岩石を砕いて絵の具にしています。

天然石で色が限られていますが、現在では
ガラスに着色して砕いている「新岩絵の具」
がほとんどを占めています。

天然石も宝石だし、新岩絵の具もガラスなので、
実際に画面に描いて乾かすとキラキラします。

岩絵の具は番号がついており、1~5番は粒子が
荒く明暗が暗いです。逆に番号が高い15番になると、
明暗が明るいです。

15番の上は「白(びゃく)」といって一番白に
近いです。
日本画独特の綺麗なパステルトーンで、
私も多用しています。

岩絵の具で代表的な色は、青の「群青(ぐんじょう)」、
緑の「緑青(ろくしょう)」、赤の「辰砂(しんしゃ)」、
黄色の「黄土(おうど)」
でしょうか?

日本画の色の名前は平安時代の伝統色にちなんでいる
ので、かなり難しいですよね?

私も大学時代に「小豆茶(あずきちゃ)」
「こまめちゃ」と読んで、大恥かきました。

その他にも、「淡口」「黄口」「赤口」
などあって、とても覚えられません。

名前で覚えるより、色で覚えたほうがいい
と思います。

名前で覚えるとネットで買うときに便利ですが、
時々同じ名前でも色が微妙に違う場合があるので、
やはり目で見て買ったほうがいいと思います。

【日本画画材の手に入る画材店】
ウエマツ…東京渋谷にある日本画画材店。
https://www.shibuyamiyamasu.jp/uematsu/main.html
絵の具屋三吉…オンラインショップがあります。
神奈川県横浜市にあります。
https://www.sankichi.com/
喜屋…自家製岩絵の具があります。
ウエマツより少し渋い色です。
http://www.yushima-shiraume.jp/shop/post_661/
などです。あと、京都にも数多くの日本画画材店があります。
彩雲堂…日本一、水干の色数が多い店です。一見の価値あり。
https://itp.ne.jp/info/266183056300000899/
放光堂…美紫がすごく綺麗です。

まだまだありますが、ここでの紹介は以上にします。

岩絵の具の原料

下記の石は藍銅鉱(らんどうこう)、
アズライトとも呼ばれます。また「青金石」もあり、
これは有名なラピスラズリです。

「藍銅鋼」群青になり、「ラピスラズリ」
天然瑠璃(てんねんるり)になります。

次に有名な緑色についてお話します。
「孔雀石(くじゃくいし)」マラカイトと呼ばれ、
日本画画材の中で有名な「緑青(ろくしょう)」の岩石です。
美しい緑色の岩絵の具が作られます。

赤色に行きましょう。赤色は少し複雑です。
「辰砂(しんしゃ)」「朱(しゅ)」「コチニール」
とあります。

「辰砂」は岩絵の具で「辰砂鉱(しんしゃこう)」
という岩石から作られています。岩石はシナバーとも言います。

「朱」は水銀と硫黄を合成して作られた人工的な顔料です。
硫黄が入っているので、銀箔の近くあるいは
上に乗せると銀箔が焼けてしまいます。

天然の岩絵の具は「焼く」という技法がありますが、
「朱」は焼くと猛毒が出るので注意が必要です。

「コチニール」は天然染料でカイガラムシから
作られています。透明感のある真っ赤な色
特徴的です。染料は水に溶けるので、使いやすいです。

黄色は「金茶石」、「黄碧玉(きへきぎょく)」
から作られています。「岩金茶」
「岩黄土(いわおうど)」という岩絵の具ができます。

「黄土」は岩絵の具の黄色の中では定番色です。

茶色は「岱赭(たいしゃ)」が有名です。
焼成した金茶石から作られています。

「岱赭」の水干は念紙(ねんし)※下図を
本画に写すときに使う紙。チャコールペーパー
役割をします※を作るときに使われる親しみのある色です。

紫色では「方曹達石(ほうそうだせき)」という、
またの名をソーダライトと呼ぶ岩石から作られています。

「紫雲末(しうんまつ)」という岩絵の具が作られます。
紫雲末は私も大好きで、粗目の紫雲末を塗って、
上から細かい絵の具をかけるとしみ込んでいい感じになります。

黒色は「電気石(でんきいし)」(トルマリン)、
「黒碧玉(こくへきぎょく)」(ブラックジャスパー)、
「黒曜石(こくようせき)」(オプシディアン)
などから作られています。

絵の中に黒を使うのが抵抗ある方も多いと
思いますが、黒は粗目の岩絵の具を使うと
日本画独自の風合いになり、重宝します。

白色はこれまた、複雑です。岩絵の具では
ありませんが「胡粉(ごふん)」があります。

そのほかにも「水晶末(すいしょうまつ)」
「方解末(ほうかいまつ)」「雲母(うんも)」
などあり、なかなか使いがいがあります。

「胡粉」牡蠣の貝殻から作られており、
その作り方は複雑極まりないです。

今はチューブの胡粉が出回っていますが、
一度は自分で作ってみるのをお勧めします。
胡粉がうまく作れたら一人前とまで言われています。

「水晶末」水晶を粉にしたもの、「方解末」
方解石を粉にしたものです。

これもいろいろな用途があり、特に方解末と胡粉
混ぜると、銀箔にの上からでも描けます。

また胡粉のぺったりした感じがふっくらした白に変わり、
空気感が出ます。

「雲母」は塗るとキラキラして、江戸時代には浮世絵の
「雲母刷り(きらずり)」で使われました。

雲母に色を使った光沢のある顔料なども販売されています。

ここだけでは、岩絵の具のすべての魅力を
お伝え出来ないので、また次回書きます。

少しでも岩絵の具の魅力は伝わったでしょうか?
もしご興味をお持ちいただければ、幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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