日本画の技法~ドーサとあかし紙の作り方~

ドーサは万能の液

ドーサは日本画にとってとても大切です。
生紙の滲み止め銀箔の焼け止め剥落止め
などにも使えます。

ドーサ液は画材店でも売っていますが、今回は
このドーサの作り方についてお話します。

後半は、箔をあかす時に必要なあかし紙の作り方
ご紹介します。

ドーサの作り方と効用

ドーサはミョウバンを使います。膠は普通に
作ります。コンロにかけている間に、ミョウバン
入れます。

量は、ミョウバンを入れた膠液を指につけて、
舐めます。少し舌がぴりっとするぐらい
いいです。動画を添付します。

ドーサ液の作り方

ミョウバンが効きすぎたドーサを塗ると、
画面が少しキラキラします。

簡単にできるので、一度作ってみてはいかが
でしょうか?

ちなみにドーサが効いていない紙は、「紙が泣く」
と言います。

私は、市販のドーサ液を使っています。これは
とても濃いので、水で薄めます。

一度、原液を銀箔に塗ったら、箔がぽろぽろと
落ちてきてしまいました。
なので、必ず水で薄める
ようにしてください。

ドーサ液は作るととても良い液になりますが、
やはり膠を使っているので膠が腐ってくれば、
もう使えません。

市販のドーサ液は防腐剤が入っているので、
長く使えます。しかし長い目で見ると、
防腐剤の入ったドーサは長期間持つのかという
疑問もあります。

防腐剤が入ってきたのはつい最近で、まだどこまで
持つのかは検証している状態です。

ドーサ引きの麻紙も販売していますが大学では
「あまり良くない」と言われました。

なぜなら、ドーサ引きの麻紙は機械
漉いているということですが、高知和紙
などでは全て手漉きでドーサ引きも
売っています。

なので、一概にドーサ引きが悪いとは
言い切れない
と思います。

ドーサの引き方

それに生紙にドーサを引くのはとても大変です。
小さい麻紙なら簡単ですが、F150ぐらいに
なると大変です。

まず、雨の日は引けません。湿度が多すぎてドーサが
効かないからです。

晴れの日に合わせなくてはいけません。

また、ドーサを刷毛で引くのですが、
刷毛の方向を揃えなくてはいけません。

ランダムに塗ってはいけないのです。
紙の上の右端から左側へ刷毛を動かして
いかなければなりません。

しかも1回ではドーサの効きが悪いので
2,3回引きます。
熱いドーサ液を使うといいです。すぐ蒸発するので。)

もちろん1回目が乾いてからなので、
2-3日かかります。雨の日があったらお休みです。

こんなに手間をかけるなら、最初からドーサ引きの
麻紙を買ったほうがいいと私は判断しました。

ただ、生紙のほうが安いし、いろいろな技法に
使える時もある
ので、生紙を買うこともあります。

もみ紙や絵の具をしみ込ませたりする技法を
お使いの方は、生紙をお勧めします。

ドーサには他にも使い道があります。銀箔の焼け止めです。
また、ドーサを引いておくと上から岩絵の具等を乗せる事
が出来ます。(ドーサを引いていないと銀箔は絵の具を
はじいてしまいます。

銀箔の焼け止めに使うには、銀箔を貼った後、
3回ぐらいドーサを引くと焼け止めになります。

焼け止めには「メタルコート」というスプレー
がありますが、これは箔の上に薄い膜を張るようなもので、
メタルコートをかけた後は岩絵の具がはじいて塗れません

なので、箔を貼った後にまた描くのなら
ドーサを引く
ほうがいいのです。

1回引いといて、制作の続きをして、
完成したらメタルコートをつけるというのが
理想的です。

その他にも、ドーサの使い道はあります。
描いている途中で絵の具が動くようでしたら、
霧吹きにドーサを入れて上から吹き付けます。
乾くと絵の具が固定されます。

このようにドーサ液はいろいろな場面で使えます。
なので、ドーサ液は常に持っていたほうがいいでしょう。

箔のあかし紙の作り方

さて、このブログでもう一つ紹介します。

箔のあかし紙の作り方
です。現在では
「ロー引きあかし紙」が販売されていますが、
古来からのあかし紙の作り方をご紹介します。

箔の間に挟まっている薄い紙を取って、
週刊誌を用意します。

あとは、バレン・竹箸・ベビーパウダー・
ごま油
を用意します。
竹箸と指にベビーパウダーを付けます。

ごま油を週刊誌の上に流します。そして
その油をバレンで伸ばします。
油の付いたバレンを薄い紙にこすりつけます。

これで、あかし紙が出来上がりました。
あとは、竹箸とあかし紙を使って
箔押しをすればいいだけです。

これは、古来のやり方です。このやり方だと
箔を貼った後にごま油が残っていて
箔の上にドーサを引いてもはじいてしまう
欠点があります。

なので、「ロー引きあかし紙」を使ったほうが
いいと思います。

ご参考までにあかし紙の作り方をご紹介しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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