日本画の絵の値段のつけ方とは?

日本画の絵の値段のつけ方とは?

日本画に限らず、絵の値段をつけるのは
とても難しいです。

ひと昔前までは美術年鑑があり、そこに作家名と
絵の値段が「号〇万円」と書かれていました。

美術団体に所属している画家が多かったです。

しかし現代は無所属の画家も多く、値段が
定まっていない画家も多くいます。

そういう画家は私も含めて、
自分で、あるいは画商さんに値段をつけて
もらいます。

日本画・油絵・版画・彫刻・鉛筆画・水彩画など、
画材によって値段は違ってきます。

もちろん材料費が違うからです。

日本画は一番高く、新人で号2万円
なっております。

しかし、日本画も現代アートの枠に入ってしまうと
値段はがっくり落ちてきます。

オークションなどで、欲しい人がたくさんいて、
どんどん値段が上がっていく場合もあります。

もちろん銀座でも、人気が高くなれば高額
取引されますが、あまり高額だと
逆に売れなくなってしまいます。

百貨店だと高額で売れるのでは?と思われるかも
しれませんが、百貨店では画商が50%~75%
取っていきます。

会場費や宣伝費がかかるからです。

NYでは、号いくらという風に計算しません。
材料費×労働時間×思い入れで決まるそうです。

これってわかりやすくないですか?
日本の「号」だと、大きな作品はどんどん高く
なってしまいますが、大きな作品でも失敗作はあります。

大きさで決まるっておかしくないですか?

やはり、作家が気に入っているのは値段が高く、
失敗作は安いというほうが分かりやすいです。

作家側も大きさに縛られず、自由に値段をつける事
が出来ます。

日本だと号いくらにしていると、大きな作品は
割引します。30号で半額にしてしまう作家も
います。

私は10年前には30号は20万で売っていました。
割引しました。

それはとっさに売買が決まった事でした。
あるギャラリーでオーナーが「壁が空いているから、
適当に作品をかけておいて」と言われたので、
かけていたのでした。

そこにフラッとお客様が来られ、
私の30号の絵を気に入ってくれたのでした。

「おいくらですか?」と聞かれたけれど、
私は値段を受けていなかったので、
とっさに号1万円で30号だから、
割引して20万と考えました。

そして「20万円です」と答えました。

すると、「安~い」と言われました。
「もっと高く言えばよかったかな?」と思いました。

ここで号計算をしてしまった失敗例です。
この売れた絵は、とても気に入っていたので、
50万円ぐらい欲しかったです。

絵が売れた後、ギャラリーさんに報告すると、
いきなり「常設展のマージン」が書かれた書類を
出してきて、「50%もらうから」と言われました。

このギャラリーは潰れてしまいましたが、
こんな契約の仕方、最低ですよね?

それを知っていたら、もっと高く値段設定したのに
最初に言われなかったから計算が出来ませんでした。

こんなギャラリー、潰れて当然だと思います。

このように号で計算すると失敗があります。
もちろんギャラリーさんのマージン
考えなくてはいけません。

なので、事前に値段は考えておいたほうがいいです。

特に初心者は「私のこんな絵に値段が付くなんて」
と謙遜してしまう場合がありますが、

1万円以下だと、画材費や労働費、思い入れ
などが軽く見られて
しまいます。

私は、どこの展覧会に出しても売れない売れ残りは、
アートメーターで売りさばいています。

ただ、実展示の時とあまりに値段が違いすぎると、
実展示で購入された方が嫌な気分になると
思いますので、

私は本当に要らない作品、
失敗作などを選んで、アートメーターに
出しています。

意外にも安い価格ですがアートメーターで
購入していただける事が多く、

私のアトリエに眠っているより、だれかに所有
していただけるなら感謝です。

絵は飾るものですので、壁に飾っていただけるなら
幸いです。

見栄を張って高い値段をつけて在庫になるより、
お買い求めしやすい値段で飾ってもらえるほうが、
私は嬉しいです。

もちろん、安売りばかりしていては
こちらが持たないですが。

なので、あまりに安いのは在庫処分として
考えています。

通常はそれなりの値段で販売しています。
また、外国では値引きは当たり前なので
それを踏まえた値段をつけなければいけません。

大体3割引きが普通です。

外国では、貨幣価値も日本と違うので
よく考えなくてはいけません。

私は計算ができないので、日本で売る値段
販売しています。

日本でもそんなに高く売ってないので、
意外と通用するようでその国の富豪
買ってくださいます。

マレーシアアートエキスポでは、4年連続完売
しました。

購入していただけるのはVIPであり、
マレー人もいましたが、大半はヨーロッパ人でした。

ヨーロッパにホテルを持っていて、
マレーシアに美術館を持っているなどの大富豪です。

外国には日本と比べものにならない富豪がいます。

私はマレーシアの経験を生かして、
海外にも挑戦しています。今のところ、売れてます。

日本のように、「知り合いが買ってくれる」
というのはありません。

一期一会で購入してくれるのです。

このように、絵の値段をつけるのは
とても難しいのです。

日本と海外では全く違う考え方をしていますし、
貨幣価値も違います。

でも、ひとつ確信することがあります。
それは「魂がこもっている絵は売れる」
ということです。それは、日本でも外国でも同じです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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