色彩心理とは何だろう?~赤編①~

色彩心理とは何だろう?~赤編①~


では、「赤」から始めてみましょう。
赤はチャクラでは下半身を意味します。

特に足を示していて、「グラウディング」
という意味もあります。

「グラウディング」とは、「地に足がついている」
状態を示します。

現実にしっかりと目を向けて、
しっかりと大地を歩いていくという意味です。

この「グラウディング」が出来ていないと、
いくらいいアイデアが浮かんでも実現できません。

実行する力がないからです。
赤は現実、実際の行動などを意味します。

赤の歴史では、へブライ人の伝承として
「最初の人間は赤い粘土で作られた」と言われています。

アダムとイヴのお話は知っていますよね?
そのアダムの「dom」は血を意味します。

ラテン語で「adamus」は「赤い土から作られた」
という意味です。

世界の多くの文化では、赤色は大地の凝固した
「血液」であると考えられています。

ですので、「赤」は「大地」いわゆる
「グランディング」
であらわされる事が多いです。

その他にも赤は「豊穣」「生殖力」なども示し、
アフリカ・コンゴでは思春期の女性たちを隔離し

、赤い色をお互いに塗り合い、隔離期間が終わると
村に戻り結婚するそうです。

「赤」は一生のうちの危険な転換期に差し掛かった
若者を守ってくれる色であり、

「赤」を身に着ける事で生命力を強化し、
生命活動の永続性を強調するのです。

中国では、たくさんの種子が子孫繁栄を
象徴するザクロの実の色が赤色ということから、
赤は活力に満ちた色とされています。

中国の祭りでは、求婚された女性は
ハンカチの包みを渡します。

中に赤い箸が2本あれば結婚の意思があるという意味で
、赤い箸が1本なら「お友達でいましょう」
赤トウガラシだと「全くその気はない」という意味なのです。

インドでは、有名な「ホーリー祭」というのが
あります。

この祭りの間だけは階級などもすべて取り払って
本能のまま動くことが出来るのです。

みんなは赤く染めた色水をお互いにかけあいます。

赤い水は生命と愛欲をもたらす「血」の象徴であり、
春の再生を願って神々に捧げられた
生贄の血の代わりなのです。

また「赤」は守護色としても使われます。

古代ローマでは、儀式において邪悪な力から
身を守るために秘儀を受けるものも指導者も
深紅の服を身にまとわなければなりませんでした。

インカ帝国のミイラを包んでいた布の開口部に
赤い装飾や刺繍の跡が発見されています。

また、イギリスのコパーゲート遺跡では、
バイキングの服からも装飾が発見されています。

日本でも、アイヌの衣服の開口部を赤い糸で
かがっています。

その他、神社の鳥居も赤く塗られています。

ジプシーも病気になると薬指に赤い糸を巻き付け、
熱が汗となって体外に出ていくように願いました。

ロシアの農耕祭では、赤いリボンで穀物を一束結びにし、
収穫が終わったら大事に備えていました。

ローマでははしかの予防のために赤い服を着たり、
出血を止めるために赤い布で傷口をおさえたり、

日本でも、天然痘を避けるために、
神道の神々に赤い折り紙を奉納していました。

このように赤色は生命の本質である血液の循環
表す色であり、病気を予防する効果があると
されており、赤を用いた事例がたくさん生まれました。

その他にも「戦い」や「特権」という意味も
あります。

「戦い」では、カナダのクリー族が少年が
大人になった証として初めて狩りに参加するとき、
赤い顔料で勇気を表すための入れ墨を施します。

この入れ墨は共同体の中の新しい地位を示し、
痛みに耐える力がある事を証明します。

ニューギニアのヤファル族では、赤土に芳香性のある
植物根のエキスと血を混ぜたもの
を若い狩人の胸に
塗ります。

また、生命力を高め獲物をおびき寄せられるように、
猟犬に食べさせたりもしました。

古代ローマでは闘いに勝った検討士は体に辰砂
塗っていました。

古代ギリシャ時代のエチオピア人が戦いに出る時は、
体の半分を白亜を、もう半分は辰砂を塗って士気を高め、
敵を威嚇したとされています。

古代イスラエルでは、戦士たちは赤い植物を
使って、髪を血のような赤に染めていました。

このように「赤」は運動時の熱情と結びつけられて、
「興奮」という原始的な感情を示していました。

その為、狩りなど多くの儀式に用いられてきました。
「赤色」は血や武器の製造に用いる火の持つ
魔力の象徴なのです。

また、「独占・特権」という意味もあります。
イースター島では選出されたばかりの首長は髪を剃り、
頭を赤く塗ります。

モッタ族(オセアニア地方バンクス諸島)では、
社会的地位が上がるごとに、権力が増した印として
髪の毛に赤土を塗ったりします。

中世ヨーロッパでは12世紀までは「赤」が
最高級の色であり、裕福な者や権力者がでは、
身にまとう色でした。

現在でも、要人のための赤いカーペット開会式
などのテープカットの色などに使われています。

赤色は貴重な顔料でした。

辰砂(しんしゃ)はビザンツ帝国では、
皇帝のみが使える色でした。

書記官が皇帝の手紙や布告を起算するときのみ、
辰砂から作ったインクが使われていて、
このインクを許可なく使った者は死罪
なったとのことです。

また、ポンペイ遺跡の「秘儀荘の壁画」では、
ポンペイレッドと言われる赤を基調にしています。

赤は「死・攻撃性・怒り」なども象徴しています。
アラビア半島の南にあるシバ王国の破壊を決めた時、

神は「赤いネズミ」を送り出して、その赤いネズミに
ダムがかじられ崩壊し、シバ王国は水没したという
逸話が残されています。

ハリーポッターでも「吠えメール」というのがあり、
赤い封筒が特徴的なののしりの手紙で、
封を切った途端にメッセージを吠え立てる
というのがあります。

また、戦時中には「赤紙」という死に至る事さえ
あるような攻撃性や極度の怒りを意味します。

赤にはいろいろな意味があり、生へ回帰する死
という意味もあります。

魂が肉体という器に戻ってこられるように、
死者を生命の液体である血の色と再び結び付けたい
と願い、体に赤の顔料が塗られていました。

例えば、南西フランス地方のドルドーニュで
赤土の塗られたクロマニョン人の人骨が発掘されたり、

中国各地では、香の入った小さな赤い紙玉
死者の口に入れ、死者の旅に持たせる行為は
今なお行われています。

このように、「赤」は世界各国でいろいろな意味で
使われています。

次回は赤~②~をお届けします。最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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