作品のポートフォリオを作るには写真はとても大事

作品のポートフォリオを作るには写真はとても大事

画家にとって、とても大切なポートフォリオ
ポートフォリオとは過去の作品集です。

画廊さんに提出して会場を抑えるため、
あるいは個展などで来ていただいたお客様に

自分の作品に興味を持ってもらうためなど、
その必要性は多岐にわたります。

ポートフォリオがないと個展会場を貸して
もらえない事もあります。

私は銀座のギャラリーで個展会場を探す時、
めぼしいギャラリーにメールでHPを送りました。

結果、相手にされませんでした。
「ポートフォリオを持ってきて」と言われました。

老舗のギャラリーさんほど現代の方法は通用しません。
地道に作ったポートフォリオはとても重要です。

それは海外でも同じです。
私はドイツのギャラリーにポートフォリオを
置かせていただいています。

その作家の過去の作品を見て何が言いたいのかなど、
ポートフォリオの担う役割は重大です。

では、ポートフォリオはどうやって作るのでしょうか?
現代ではiPatで作る人もいますが、

見やすさとしたらファイル形式のほうが
高齢の方にも親しみやすいでしょう。

また、内容についても学生時代からの作品
ファイルする人と、最近の画風が固まってきた作品だけ
ファイルする人もいます。

しかし、忘れてはいけないのは経歴です。
日本ではやはり経歴が重要視されます。

どこの大学卒で、どこで賞を取ったのか、など。
箇条書きにしている作家は多いです。

NYだと、これが一変します。
「なぜ絵を描いているのか?」
「どういうコンセプトなのか?」
などを盛り込んだ
一人の作家の人生経路を物語風に書きます。

私はこっちのほうがいいと思いますが、
まだまだ日本では、「肩書き」が重要視されます。

それは地方に行けば行くほど威力を発揮します。

「日展作家」「東京芸大卒」などは地方では
物凄く力があります。

肩書きがあまり関係しないのは東京でも中心地
ぐらいで、都心を離れていくほど地方性が強いです。

これは、日本独特の悪い性質で肩書きを見ないと
絵が鑑賞できないという習慣がまだまだあります。

自分の絵の鑑賞力に自信がないのでしょう。
それは、日本の美術教育にも問題があります。

絵画を見て素直に感じた事を発言する授業がない
からです。

海外では先生と生徒が大きな美術館に行って
「絵画の鑑賞力」を養う授業があります。

日本は作ってばっかりでしたよね。

だからと言って、美大を出ていないからと
あきらめる事はありません。

現代の作家では美大芸大卒は約40%しか
いないのです。

あとの60%は経歴が立派ではありません。
日本も少しずつ鑑賞力のある人が増えてきたのでしょう。

最近、経歴になるのが「売れた」です。
「私の絵が売れた」というとみんな目をむきます。

ひと昔前は「芸術をお金に換算するなんて下品」
とかいう高齢者がいましたが、現代では「売る」事
とても重要視されているのです。

私もマレーシアアートエキスポで4年完売しましたが、
経歴には「完売」と入れています。

それはNY式のポートフォリオの時でも同じです。
現代では「絵がお金になる」事がとても重要視されています。

また、ポートフォリオに制作途中を入れて
その作家に興味を持たせたり、
(制作段階をネットで公開している人もいます)

経歴ではなく、連絡先を大きく入れる人もいます。
個展が終わっても何かの縁があったら連絡下さい
とのメッセージなのです。

オーソドックスなのは、時系列的にファイルしていく
形です。

これは見やすいし、その作家の成長ぶりがよくわかります。

しかし、年月が経っていくとファイルも1冊では
終わらなくなってしまったり、見る人に負担を
与えてしまう事もあります。

私もオーソドックスなポートフォリオですが、
私は過去の作品を見られるのがあまり好きでは
ありません。ですので、今度の個展は
代表的な作品だけにしようと思っています。

あと、忘れてはいけないものは、作品の下の
「制作年」「タイトル」「メディウム」「所蔵」
「入選歴」
です。

こういった情報はポートフォリオならではですので、
必ず入れておきましょう。

もしどこかに作品などが掲載されたなら、
その資料も一緒に入れておきましょう。
ハクが付きます。

その他、個展や展覧会のほかにもワークショップ
アートイベントの情景が分かる画像も入れていくと
みる人がとても楽しいと思います。

展示されている作品の中に、お気に入りの絵が
見つからなかった場合、お客様はポートフォリオを
見ます。

ポートフォリオを見ていく人はかなり気に入って
くださっているお客様
です。

ポートフォリオを見て「こんな絵が欲しい」
言われた画家がいると聞いています。

それはオーダーメイドになるので、
アートビジネス的には成功です。

このようにポートフォリオ一つにとっても、
成功への道は開かれるので、手を抜かずに
作りましょう。

ポートフォリオを作るには写真が必要です。
ですので、作品の写真はマメに取りましょう。

私はマレーシアアートエキスポで売れた作品の
写真を取り忘れました。

ですので、ポートフォリオには載っていません。
本当に残念なことをしてしまいました。
悔やまれます。

最後にファイルの表紙には
「○○氏のポートフォリオ」などタイトルを
つけておくと見てくれる人が多くなります。

なかなか大変ですが、展覧会を成功させるための
一つの努力です。頑張りましょう。

最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました。

 

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