岩絵の具とパステルとアクリル絵の具

岩絵の具とパステルとアクリル絵の具

皆さん、日本画は岩絵の具だけで描いていると
思っていませんか?そんなことはありません。

現代日本画ではパステルやアクリル絵の具
使います。時には透明水彩も使います。

水で溶ける画材なら何でもいいのです。

パステルは骨描きが消えてしまったり、
途中で形がおかしくなってしまった時に使います。

粉なので、膠の入った岩絵の具で上から
塗ってしまえば定着します。

パステルの色あいは日本画材に近いので、
とても使いやすいです。

私はアクリル絵の具は絵の側面に塗っています。
基本的に額に入れないので絵の具が垂れた絵の側面に
アクリル絵の具を塗っています。

以前は水干を塗っていたのですが、水干は乾くと
手につくので止めました。
それ以来、アクリル絵の具を使っています。

透明水彩は、最後の描きこみなどにも使えます。
透明なので細かい描きこみなどに最適です。
色も豊富なので、使いやすいです。

その他にも墨、木炭なども使えます。
水で溶けるものなら何でもいいのです。

日本画=岩絵の具と考えなくていいです。
いろいろな画材を試してみましょう。

最近は水彩色鉛筆に挑戦中です。
ただ、水彩色鉛筆はただ描いただけだと、
少し浮いた感じになってしまいます。

描いた後は少し水でなじませたほうが
いいかもしれません。

水彩色鉛筆はまだ実験段階で、
まだうまく紹介できません。

岩絵の具で細かい描写は難しいので、
代理の画材を使うのもあり、です。

自分なりにいろいろ研究していくのも楽しいでしょう。

だから何も岩絵の具にこだわる必要はありません。
ただ、岩絵の具は高価で素晴らしい色
しているので、岩絵の具の上からアクリル絵の具などを
塗るのは少しもったいないようにも思えます。

画材の良さを引き出すようにしましょう。

最近私は顔彩にはまっています。
顔彩とは水干を膠で練ってあるスケッチ用の
絵の具ですが、とても使いやすいです。

色も鮮やかですので、私は68色の顔彩を使っています。
もっといろいろな色が欲しいぐらいです。

ただ、金・銀に関しては、金箔・銀箔の輝きに
匹敵するものはあまりありません。

アクリル絵の具などだと沈んだ感じになります。
アクリル絵の具にも金・銀はありますが、
あまりお勧めしません。

キラキラさせたかったら、やはり金箔・銀箔が
いいでしょう。

昔は油絵具の顔料に膠を混ぜて使ったり
しました。

でも油絵の顔料は膠で溶いて描けるのですが、
あとからヒビが入って、剥落してしまいました。

多分粒子が細かすぎたのかもしれません。

「クラインブルー」という絵の具があって、
イヴ・クラインのブルーをイメージした絵の具でした。

真っ青なブルーにとても心惹かれました。
使ってみたのですが、やはり剥落してしまいました。

まだ残っているので、再度使ってみようと思っています。

友人もこの「クラインブルー」に心惹かれて
買ったみたいですが、膠を入れ忘れて

水で塗ったので、すべて粉になって落ちてしまった
というエピソードもあります。

なので、顔料を使うときは必ず膠を入れましょう。

少し「イヴ・クライン」についてお話をさせてください。

イヴ・クラインは両親が画家の家に生まれ、
フランスのニースで育ったそうです。

ニースの青い海の色が、後々「クラインブルー」を
生み出したといわれています。

有名な石膏像にクラインブルーを塗った作品を
ご存じですか?

発色のとてもいい、でもなんだか心が満たされる
ブルーです。不思議な魅力を持ったブルーなのです。

ブルーという色はとても不思議で、
日本画でも群青があります。

群青はとても高価です。宝石のようなものです。
15gで5000円ぐらいします。

また、昔の宗教画にもマリアはブルーの色の服を
着ています。

このブルーは「天の真実」の意味があるそうです。

話はそれましたが、ブルーをはじめ、色を使うのは
とても楽しいです。

赤も昔は紅花からとっていました。

今度お話しますが、明治以降に作られたコチニール
というカイガラムシをすりつぶして作られた
赤い絵の具もあります。

日本画の岩絵の具はとてもきれいで心惹かれます。
日本画材店に行くとその美しさに感動します。

でもそれだけではないのです。
パステル・アクリル絵の具などを駆使していったほうが、
表現の幅も増えるし、楽しいです。

パステルには、ソフトパステルとハードパステルが
ありますが、日本画にはハードが向いている
ように思います。

というのも、私がパステルを使うのは
形の修正の時だからです。

ハードパステルの角を使って形を修正していきます。

何もソフトパステルが使えないというわけでは
ありません。

ソフトパステルは、日本画で凸凹を作った時
(盛り上げ胡粉などを使った場合)に、

さっとソフトパステルをかけるといい感じになる
場合もあります。

このように、「日本画だから岩絵の具」と
決めつけないで、いろいろな画材を
試してみてください。

きっと、自分らしい画材や色が分かってくる
とても楽しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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