個展会場でのマナーとは?

個展会場でのマナーとは?

晴れて、個展を開く事になりました。
さて、会場に常駐することになりましたが、
個展会場でのマナーってあるの?と思うはずです。

個展でのマナーは、開催する作家にも、
来場するお客様にもあります。

まず、来場するお客様のマナーから紹介していきます。

お祝い品と来場者のマナー

お花

一番手軽で、喜ばれるのが「花束」です。
花束があると個展会場が華やかになります。

しかし、あまりに大きな鉢植えとか、
どこかで貰ったお花を使いまわしして送るのは
興ざめです。

実際私の個展に少しお酒が入って花束を
持ってきたお客様がいました。

明らかに他のパーティの帰りという感じでした。
お酒の匂いを放ちながら、「個展おめでとう」

枯れかけた花束を渡された時は、さすがにムッと
しました。

でもまあ、長い付き合いのお客様だし、
日常でもお話しますので、忙しい中駆けつけて
くれた事に感謝しました。

大きな鉢植えを持ってきてくれたお客様は、
嬉しかったのですが、持って帰るのが大変なのと、
家でもお世話しなくてはいけなかったのが負担でした。

一番いいのは、お花だと花かご
「個展開催おめでとうございます」なんて書かれている
プラカードがついているのがいいでしょう。

でも、「お花・プレゼントは遠慮します」という
作家さんもいるので、その際は手ぶらで絵だけ
見てあげると作家さんは喜びます。

お菓子

お菓子のプレゼントも定番です。
特に初日に持ってきてもらえると、

途中でお腹が空いても、ちょっとつまめるので
大助かりです。

あとから来たお客様にも勧められるし、
画廊さんも食べる事が出来ます。

ただ、生菓子は辞めておいたほうがいいです。
お客様は「これがおいしい」と思って買って
きてくださる気持ちは痛いほどわかるのですが、

一度有名店の「どらやき」を頂いた時は、
個展中はとても忙しく、食べる暇も開ける暇もなく、

個展が終わってから家で開けると青カビがびっしり、
という事件もありました。

「食べたかった」と涙したこともあります。

お菓子を差し入れするには、焼き菓子か日持ち
するものがいいでしょう。

値段もそんなに高くなく、1000円程度のもので
いいでしょう。

私の個展ではお酒を持ってきてくださる方が
いらっしゃるのですが、最近はめっきりお酒を
飲まないので、だれかに差し上げる事になるので
もったいないです。

それにお酒は結構高いので、お客様の負担が大きいです。

作家としては、手ぶらで来ていただいて、
絵を見てくれるだけで、大変うれしいので
そんなに気を使っていただかなくてもいいのです。

他の画廊で買った絵

一度、初めて来ていただいたお客様でしたが、
他の画廊で購入した作品を梱包を解いて、
見せてくれた事があります。

これはマナー違反です。

お客様は見せたかったのでしょうが、その画廊では今、
個展を開いている作家が主役です。

「他で買った」と言うだけなら、がっくりするだけで
済みますが、開いて見せるというのは少し失礼です。

しかも、私の個展を見ていなかったのです。
これは失礼です。

銀座でなければ、そういう事も許されるかもしれませんが、
銀座は日本一地価の高い地域です。
その分マナーも厳しいのです。

神戸で個展を行った時は、地元の作家さんが来て
真ん中のテーブルを占領してしまいました。

そして画廊のオーナーさんがその作家さんの画集
出してきて、みんなとお話していました。

私は、外に出て時間をつぶしました。

神戸のような地方ならそんなことも仕方ないと
思いましたが、銀座ではそんな事は通用しません。

訃報の知らせ

久しぶりに個展でお会いできて、積もる話も
ありますが「あの方亡くなったのよ」という
話題はマナー違反です。

人の生死にかかわる話は、イベントでもある個展
にはふさわしくないです。

また、作家も忙しくしているので、しんみりと
お返事できない事もあり、お客様に失礼なこと
言ってしまう事もあるでしょう。

ですので、あまり込み入った話は控えたほうが
いいでしょう。

絵を買う

基本的に個展は作品を販売しているので、
作家が一番喜ぶのは「絵を購入」してくださる事です。

作家は絵が売れると物凄く喜びます。

好きな作家を本当に喜ばせたかったら、
絵を買ってあげましょう。

小さい作品でいいのです。
お祝い品がなくてもいいのです。

手ぶらで絵を見て感想を言ってあげたり、
絵を購入してくれると作家がかなり喜びます。

それでは、作家側のマナーについてお話します。

作家側のマナー

笑顔

お客様に来場マナーがあるように、
作家側にもマナーがあります。

とにかくお客様には笑顔で接しましょう。
わざわざ、自分のために画廊に来てくださって
いるのですから、出来るだけ丁寧に対応しましょう。

お客様が話したい事には真摯に耳を傾けましょう。
お客様の感想を引き出すために、いろいろ作品の
説明をするのもいいでしょう。

しかし、嫌な事を言って帰るお客様もいます。
そういうお客様のために、返す言葉を用意して
おいた方がいいでしょう。

私は女性ヌードを描いていますが、
「これ、女性の自慰でしょ?」って
言われた事があります。

女性の性欲を描いている」とも。

私の絵がそう言わせるのかもしれませんが、
なんといって返信すればいいか、悩みます。

そういう時は、笑顔で「ありがとうございます」
言ってその場を去るのがいいでしょう。

笑顔は最強の武器なのです。

頂き物

頂き物を頂いた場合は、素直に
「ありがとうございます」と言いましょう。

わざわざ作家のためにお菓子屋に足を運んで
くれたのです。感謝以外何ものもないでしょう。

できれば、その場で開けておくのがいいです。
長居してくださるお客様がいたなら、
お茶を出しましょう。

また、お花をもらっても、会期中は飾っておくべきです。
枯らさないように会期中はお水もあげましょう。

愚痴

個展は疲れます。1日に何十人ものお客様の相手を
しなくてはいけません。

終わった後はくたくたです。でも疲れているからと
言って、お客様に愚痴を言ってはいけません。

仲の良い友達が来てくれても、愚痴はあまり気持ちが
いいものではないです。

決して言わないようにしましょう。

絵が売れたら

絵を買って下さったお客様にはその場で素直に
「ありがとうございます」と言いましょう。

私は最近友達の版画を個展で購入したのですが、
その時、作家は「画廊さんに言って!」と言われ、
嫌な思いをしたことがあります。

嫌な思いをしたので、その絵は飾っていません。
私の心の整理がつくまで、飾るのは控えようと
思います。

私は、購入してくださったお客様には気持ちを込めて、
お礼状を送っています。

絵も額装して丁寧にプロに梱包してもらって、
送っています。

感謝の気持ちを忘れないようにしています。

絵を飾るという行為は、私がそのお客様の家に
伺うようなものです。

腐るものではないので、ずっとその家に居続けます。
作家にとって作品は子供のようなものです。

子供を見送る母のような気持ちになります。
決してお金だけの問題ではないのです。

服装

個展の時は、綺麗な恰好をしましょう。

私の日本画の先輩は着物を着たりして
ドレスアップしています。

特に女性は綺麗だと、絵の販売もうまくいくことが
あります。

それだけではありませんが、一つの要因です。

現代では、ネットでかなり安く新しい服
買う事が出来ます。

私は個展前は1万円ぐらいで2-3着購入
しています。

購入しなくても、ちょっとお出かけ用の服
しましょう。

まとめ

基本的に個展は「晴れの舞台」です。

お互い「思いやり」も心を持って接しましょう。
作家としたら、絵を買ってくれないお客様は
ぞんざいに扱いたい気持ちになりますが、

ですが、わざわざ足を運んでくれた感謝
忘れないようにしましょう。

お客様も購入しなくても、その作家の苦労を
かぎ取ってあげて、絵を鑑賞して、感想を言いましょう。

それだけでも作家は喜ぶのです。
素敵な個展を開くためにお互い気をつけましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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