各美大の作風の違い

各美大の作風の違い

絵を志す人の第一段階の目標は「美術大学」でしょう。

しかし、昨今では美術大学を出ていなくても、
作家活動を行う人が増えています。

では、なぜ美術大学が必要なのでしょうか?

1.日本画は大学に入らないと習得できません。
美術予備校では、岩絵の具は使いません。
水彩画とデッサンのみです。

2、有名作家が教授の場合、親しくできます。

3、同志がたくさん出来ます。
(でも、結局は卒業後はあまり連絡を取りませんが)

4、絵描きとして生きていくためのコネが出来ます。

これくらいでしょうか?
ちなみに私はすいどーばた美術学院から武蔵野美術大学に
入りました。

ムサビ時代はとても楽しくて、好きなだけ絵が描けるし、
友達も似たもの同士がいて、素晴らしい青春の1ページです。

すいどーばたの時代は、友達も出来ましたが、
みんなライバルなのであまり親しくはならなかった
ように思います。

親友も出来ましたが、大学が違うとそれぞれの道に
行ってしまうので、連絡が取れなくなってしまいました。

美大で学ぶことは少ないです。
教育機関というより研究機関といった感じでしょうか?

「やりたい」といえば、いろいろ教えてくれます。
逆に何も言わないと何も教えてくれません。

なので、受け身でいると何も学ばないまま卒業
いうことになります。

大学院に入るともっと厳しいです。
教授たちも「君たちはもうライバルだから」とか
言ってきます。

いきなりそんなこと言われても、、、、。
大学院はかなり厳しかったです。

美大に行くには、多額のお金が要ります。
しかも競争率も半端ではありません。

私が受験して合格した時は、私の番号が218で、
その次が283でした。おおよそ70名が不合格だったわけです。

こんな競争をして、入学すると多額の授業料
本当に大変です。

生徒さんの中には、新聞配達の奨学金を取りながら
通学している人もいました。

学費が払えなくて中退した人も結構います。


「美大出てるんだから、お金持ちよね?」
とか言われますが、実家は貧乏です。

私は、毎日のようにバイトをしていました。

話が逸れました。
私は、ムサビ・タマビ・芸大を受けました。

合格する人は、やはり「ムサビっぽい」とか
「タマビっぽい」とか「芸大っぽい」人が自然と
選ばれているようです。

「ムサビ対タマビ」という深夜番組を見た事があります。

一つの大きな画面に絵を描くという企画でした。
タマビはみんなで相談して一つのイラストを仕上げました。

ムサビは協力しないで、思い思いのところに
自分の作品を描きました。

結果は「ムサビの勝利」でした。
タマビはデザインぽ過ぎて、ファインアートと
呼べないということでした。

このように同じ美大でも傾向が違うのです。

他にも「女子美」「造形大」とありますが、
みんなそれぞれ傾向があります。

また、卒業大学×公募展を見ると、かなり違います。

芸大は技術がしっかりしているので、
院展に行く人が多いです。

ムサビは教授にも寄りますが、創画会、日展が多いです。
最近は無所属も多いです。

ムサビは何となく泥臭い作品を描く人が多いです。
タマビは洗練された画風があります。
女子美は何となく明るく女性ぽい絵が多いです。

毎年東京都美術館で開催されている「五美大展」を見ると
一目瞭然です。

ご興味ございましたら、一度覗いてみてください。
将来有望な作家たちの作品が見れます。

しかし、美大を出た学生たちも社会人になっても
作家活動をする人はかなり少ないです。

日本画科も30人いて今でも作家活動をしている人は
ほんの2-3人です。

なので、社会に出てからが勝負なのです。

日々の生活や仕事に追われて、制作が
出来なくなってしまった人も多くいます。

だから何も美大にこだわる事はありません。

ただ、美大に行った人は、予備校で絵の基礎
叩き込まれています。

毎日朝9時から夜9時までデッサンや水彩画を
描いています。

その時に叩き込まれたデッサン力は半端ないです。

「絵は好みだから」「基礎がなくても好きなように
描いていいんでしょう?」
という人は美術界を
甘く見ています。

デッサン力がないといくら描いても誰も
振り返ってくれません。

ですので、絵画教室やカルチャーセンター
デッサン力を学ぶほうがいいです。

全くの初心者だと、とっかかりがいいと思います。
その時に先生がどこの美大卒であるかはとても重要です。

また、憧れの美大卒でも、教え方が下手な先生もいます。

あと、最近では通信教育などもあります。
ムサビや京都芸術大学などもありますので、
そこでデッサン力をつけるのもいいですね。

デッサン力はなかなか付きません。
絵画教室などに通っても10年ぐらい通わないと
デッサン力はつきません。

なので、通いながら自宅で練習してください。

それと、美大を出て絵画教室を開こうと
している作家さんも、絵画教室運営は
半端な努力では務まりません。

美大を出てるからと言って、すぐに生徒さんが
集まるわけないです。

HPを作ったり、ブログを書いたりして、
ようやく人集まってきます。

なので、教えるほうも、教えられるほうも
どういった傾向の作品を描きたいのかと
考えてから行動してくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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