【特典①】膠(にかわ)の溶き方

日本画家が一番こだわるのが「膠(にかわ)」です。
膠は麻紙と岩絵の具等をくっつける役割をする糊(のり)です。
日本画を描くには欠かせない画材です。

膠にはいろいろな種類があります。
基本的には牛の皮のコラーゲンから作られています。

膠の種類も様々です。三千本(さんぜんぼん)、鹿膠(しかにかわ)、粒膠(つぶにかわ)、
アートグルー、京膠(きょうにかわ)等。

説明していきます。
三千本…基本的な膠。大学で最初に勧められる。牛などの皮や骨から作られている。
    他の膠より粘着力は緩いが、絵の具の付き方に安定感がある。少し黄味がかっているので、絵の具に少し影響がある。
    棒状の膠なので、最初はペンチなどで折って水に浸す。ふやけてから湯煎にかけて溶かす。防腐剤が入っていないので、すぐ腐る。

鹿膠…これも牛の皮や骨から作られている。1cm角のサイコロ型の膠。保存修復等に使われる。接着力は強く、三千本と一緒に混ぜて使われる事が多い。
   乾燥が早く、透明感が高い。昔は鹿の皮から作られていた。これも水で一晩ふやかしてそれから湯煎に掛ける。

粒膠…他の膠に比べて粒状なので溶けやすい。やはり牛の皮などから作られている。速くふやけるので湯煎に掛けるとすぐ使える。
   接着力は比較的強く、透明度が高い。

アートグルー…最近開発された現代版膠。腐らず湯煎に掛ける必要もない。ただ、「画面を洗う」事が困難である。AG溶解液を使えば「洗う」事は可能だが、
       成功率は極めて低い。接着力は強力で気候気温にも強い。

京膠…こちらも最近開発された膠。最高級品となっており、不純物が極めて少ない。接着力は強く、分量を間違えると画面上でテカったりするので注意が必要。
   水にふやかす事も湯煎も必要ないので、使い方は簡単である。

基本的に膠は一晩水につけ、湯煎に掛けて液状にしますが、「アートグルー」や「京膠」はその必要はありません。
どの膠を選ぶかは画家の好みだが、いろいろ試してみて自分の画風に合う膠を探してほしいと思います。

溶き方は三千本ならタオルに巻いて細かく折った後、ジャムの瓶などに膠と水を入れてふやかす。一晩つけてふやけたら、電気コンロなどで湯煎に掛けて溶かす。
分量は画家によって様々ですが、基本的には三千本だと2本に水200㏄ぐらいで溶かしましょう。60~70℃ぐらいで加熱しながら、掻き混ぜ、溶かしていきます。

鹿膠や粒膠も基本的には同じやり方で膠を溶かします。鹿膠は気持ち水につける時間は長く、粒膠は結構すぐにふやけるので急いでいる時に便利です。
アートグルーや京膠以外の膠には防腐剤が入っていないので、夏場はすぐに使いきりましょう。使わない時は冷蔵庫に入れておくと少し長持ちします。