いろいろなところで使われる～箔～
箔といえば、「金箔」「銀箔」「プラチナ箔」
「洋箔」「アルミ箔」「銅箔」と次々に
思い出されます。
日本画のほかにもフレスコ画などに使われています。
私は箔の本場、金沢から取り寄せています。
産地から取り寄せるのは、品質・価格ともに
とてもリーズナブルです。
ではまず、箔の説明から入ります。
「金箔」…金箔は純金というイメージがありますが、
純金ではありません。
純金と言われる箔にも「銀」や「銅」が入っています。
ただ、金の割合が98％なので、ほぼ純金と言って
間違いはないかもしれません。
「銀箔」…銀は100％です。私も多用します。
銀は硫黄化合物や酸、空気と反応して色が
変化します。
銀が変色してほしくない場合は、ウエマツの
「メタルコート」か、ドーサを三度ほど引きます。
この銀箔の変色を利用して、様々な背景を
作ることが出来ます。
ウエマツの「硫黄末」を使ってアイロンで焼くと、
青みがかった虹ができます。
やり方は箔を挟んでいる薄い紙を2枚使って、
硫黄末を挟み込み、銀箔の上に置きアイロンで
溶かします。
そうすると、ジワリと銀箔が焼けてきます。
アイロンの温度のよっても焼け方が違います。
高温にしているとさっと置いただけでも、
虹色に焼けます。
真っ黒に焼きたければ、硫黄末を直接銀箔に乗せ
、一晩おきます。そうすると真っ黒に焼けます。
※銀箔は紙に貼ってから焼いてください。
貼り方はまた次回ご説明します。
銀箔をすでに焼いて売っている「黒箔」という
のがありますが、とても繊細で貼りにくいです。
ボロボロとしているので、慣れていないと難しいです。
「洋箔」…一見金箔に見えます。
実は真鍮で作られています。見る人が見ると
わかるのであまりお勧めはしませんが、
ワークショップや大量に使う時には
金箔替わりになります。
「プラチナ箔」…非常に高価です。
しかし、銀箔のように焼けたりしないので、
銀色の背景を残したいときにはこのプラチナ箔が
とても有効です。
私も使ったことがないので何とも言えませんが、
銀の色を綺麗に残したいので、
今度使ってみようと思っています。
その他にも「玉虫箔」やいろいろな色が
着色されている箔もあります。
それらはすべて銀箔に着色しているもので、
かなりの種類があります。
一度試されてみてはいかがでしょうか？
金箔を刷りつぶしたものに「金泥（きんでい）」
があります。
金箔の粉ですが、膠で溶いて使います。
粒子が細かいのでなかなか膠と混ざりませんが、
少しコンロであぶったりして一度乾かし、
その後水で溶くとうまく溶けます。
金泥には、純金泥、青金泥、白金泥、銀泥、
水金泥、準金泥、本金粉泥、中金泥があります。
泥は箔よりも輝きにかけますが、
細かいところを描くのにとても最適です。
金泥より荒い粉を使った表現を「砂子（すなご）」
と言います。
砂子は「砂子筒（すなごづつ）」という竹製の筒に
網が貼ってあるものに、箔を入れて上から
砂子用の筆で箔を粉々にして、絵に振りかけると
できます。
振りかける時は、絵に膠を薄く塗ってから
振りかけます。振りかけた後は、
しばらくそのままにして、麻紙の端切れで
浮いた箔を押さえます。
そうすると、浮いた箔が定着し、
美しい砂子が出来上がります。
箔を使うと、古い感じの日本画に仕上がります。
なので、箔をキッチリ貼るよりいろいろなところに
散らばしたり、箔あかしをしないで、そのまま画面に
置いたりしても面白いです。
詳しくは「箔あかし」のページでお話します。
「箔あかし」のページでは、「箔」の貼り方も
お話します。
今回は、「箔」の種類と概要だけ紹介します。
「箔」の作り方は金属を薄くのばしていって
薄くしたものです。
「金箔」も「銀箔」も「プラチナ箔」も
はじめは延金を澄打紙に挟んで1000分の３ミリ
まで伸ばし、
さらに箔打紙に挟んで、１００００分の１ミリ
まで伸ばします。
箔は高価というイメージがありますが、
確かに金箔、プラチナ箔は高価ですが、
銀箔は１００枚で３5００円ほどです。
洋箔も１００枚で３４００円ぐらいです。
これが純金箔になると、１００枚で４８０００円
にもなります。さらに１００枚で５８０００円
ぐらいになります。
ああああああああああああああああああああ
高価ですが、あまり変色しないし、
何百年ももつし、みる人が見ればわかるので
、歴代の巨匠が使用していたのもうなづけます。
ただ、お金ばかりに気を取られて、
「もったいない」と思いながら絵を描くのは、
それこそ「もったいない」ので、お金が気になる人は
辞めておいたほうがいいかもしれません。
単価で言えば、銀箔は１枚３５円、
金箔は１枚４８０円、プラチナ箔は１枚５８０円
ぐらいになります。
やはり高いと思われる方は、銀箔の代わりに
「アルミ箔」、金箔の代わりに「洋箔」を
使ってみてはいかがでしょうか？
箔の専門店、金沢の「箔座」のHPを張り付けておきます。
https://item.rakuten.co.jp/hakuza/c/0000000117/
ご興味ある方はご覧ください。
では、今回はこれで終わります。最後までありがとうございました。